重力の自由(2021年)

ストーリー

「お母さん、わたしこの重力にする!」

実在するかしないか定かではないとある惑星。
この星の知的生命体(便宜上、人間とする)は、成人すると親の重力場を離れて自分の重力を選択する。
強さや力の方向、あるいは直感。
いろいろな要素を加味して悩んで悩んで慎重に決定する。
重力の決定がこの先の人生を大きく左右するからだ。

うまく自分に合った重力を見つけた人間は、その流れにのってどんどんと先へ進むことができるが、自分に合わない重力を選んでしまった人間は停滞して苦しむことになる。
それでも絶望する必要はない。
途中で投げ出すことさえしなければ、 どんな重力にもいずれ必ず順応できるからだ。むしろその過程を楽しむこともできる。
大切なのはどの重力を選ぶかよりも、自分の意思で選ぶこと。
そして、その重力を好きでいること。

重力はその人の人生を執拗に縛り付ける。
何を大切にするか、何に執着するか、何をもって幸せとするか。
また、多くの場合年齢を重ねるごとにその拘束力は強くなる。
自分の存在意義、立場、責任。

そして築き上げた重力場は次の世代にまで影響を及ぼす。

一見煩わしいように感じる重力ではあるが、真空からは何も生まれないように、何のしがらみもない人生からは何も生まれない。
重力に縛られているからこそ、この星の人間は創造し、活動できるのだ。

さて地球の皆さん、あなたにとっての重力とは何ですか?

あとがき

こんにちは。ヤスダックレコード店長です。
今回は少し哲学っぽくなってしまいましたが、作品中のロゴ「Liberty of Gravity」は、制作当時中毒的にヘビロテ再生していたくるりの「Liberty and Gravity」から拝借しました。
ただ、字並びの良さだけでロゴを選んでしまい、「重力の自由ってドユコト??」と自分で自分の首を絞める結果に。
もう意味が分からなすぎて絞殺されそうになりました。
無理やり空想を膨らませて膨らませて、そしたらなんとなく普段考えていることと結びついて、結果、むしろおもしろいストーリーができました。
教訓、タイトル決めは計画的に。

ジャケダケレコード

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