So What? (2019)

ストーリー

前話【ダイヤルYASDAQ】

「あんたバカ?そんなフラれ方しておめおめと引き下がってんの?」
「だって・・・」
「まぁ、そんな不貞を金で解決するような男は別れて正解よ。」
「・・・」
「でもね、あんた、主導権はこちらにあること分かってる?」
「どうゆうこと?」
「復讐するのよ。そんなはした金で引き下がっちゃだめよ。」
「でも怖い・・」
「あんた甘いわね。だからポイって捨てられるのよ。まずは奥さんにあんたの存在を匂わせるところからね。彼の家に誕生日にプレゼントを送り付けるなんでどうかしら。彼の誕生日はいつ?」
「12月28日。でも住所は教えてくれなかったわ。ダウンタウンの5番街あたりってことまでは聞いたけど・・・。」
「え、何、うちの近所じゃない。でも住所分かんないんじゃ誕生日作戦は無理ね。他の手は・・そうね、勤務先をウロウロするのよ。あれだけの手切れ金を惜しげもなく差し出せるとこみると、それなりに稼いでる人なんでしょ?社内に不倫のうわさが広がったら、彼も立場がないはず。どこに勤めてるの?」
「たしか・・ヤスダックホールディングスだったかな。」
「え、何、うちの旦那と同じ会社じゃない。あそこは部署ごとにオフィスが別々の場所にあるから、部署が分からないと実行不可能ね」
「アジア販路開拓部部長って言ってたかしら」
「え、それってまさか・・言われてみれば誕生日も一緒ね・・・。
因みに彼の好きな色は」
「ネイビー」
「車は何のってるの?」
「アルパカーナ500GT」
「好きな食べ物は?」
「ラーメン」
「もしかして煮干し系?」
「そう」
「嫌いな食べ物は?」
「シナモン系全般」
「左耳にピアスなんてしてないわよね?」
「え、何で知ってるの?」
「よーく分かったわ。たぶん私の知ってる人。」
「え、そうなの?」
「じゃあ”せーの”でそのクソ男の名前を同時に言うわよ。せーの!」

ガシャン

赤電話は恐怖のあまり回線を切ってしまった。
まだ通話時間は残っていたのに。
駅前に設置されて以来、初めて職務放棄をしてしまった。

赤電話はさいなまれた。
この回線をつなげてしまった罪悪感に・・・。
そして赤電話は願う。
彼の無事を・・

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