—ナイトカフェ『プールタブー』にて—
カランカラーン♪
マスター) | いらっしゃいませ。 |
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カロト) | マスター、本日のカルピス。 あれ?先客?珍しいね。見慣れない顔。 |
先客) | グスン・・・。 |
マスター) | ずっとこんな調子です。 |
カロト) | どうしたの? |
先客) | グスン。 ぼく、仕事でいつも失敗ばかりして、周りに迷惑かけてばかりで。。。 |
カロト) | あぁそうなのか。。。 |
先客) | 今日もボスに「ろくに仕事もできねぇのに肉ばっか食いやがって!お前は『狂犬三兄弟』かっ!」って怒鳴られて。 |
カロト) | 今どき珍しい職人気質だな。 おいらもエレベーターボーイやってた頃を思い出すよ。 |
先客) | エレベーターボーイ?・・・ですか・・・。 |
カロト) | ああ。ちょっと昔話に付き合ってもらえるかい? |
先客) | あ、はい。ぼくでよければ。 |
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[まだエレベーターが人力だった時代の話]
ガラガラガラガラーッ!!(ハンドルを回す音)
親方) | 新入り!こっちは手がいっぱいだ!2号機は頼む! |
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カロト) | あいよ!でも親方、こうしてもう3年も一緒にハコ吊るしてるんですぜ。 いい加減“新入り”は勘弁してくだせぇよ! |
親方) | 半人前が生意気言ってんじゃねー。 |
ガラガラガラガラーッ!!(ハンドルを回す音)
ガッシャーン!(地上に着く音)
親方) | ふうっ、到着。まったく3機を二人で吊るせなんて、お偉いさまはムチャ言いやがる。 |
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ウォーン!ウォーン!ウォーン!ウォーン!(アラート音)
親方) | いけね。最新型高速エレベーターがお呼びだ。 オレはしばらく1号機に付きっきりだ。 なんせ、1階から60階まで高速で一気に上げなきゃいけないからな。そっちは頼んだぞ、新入り。 せーの!ううぉーりゃーーっっ! |
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ガラガラガラガラガラガラガラガラーッ!!(親方が高速でハンドルを回す音)
カロト) | あいよ! お、さっそく1階の3号機にたくさんのお客様。各階止まりね、了解。 ・・・うわぁっ、46階の2号機、地上階までノンストップ下降要請! あ!さらに60階で人が待っている!間に合わない! 親方、どうしよう!! |
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ガラガラガラガラガラガラガラガラーッ!!(親方が高速でハンドルを回す音)
親方) | (*´Д`)はぁはぁ。(←高速ハンドルで息が切れてる。) おまえ、 (*´Д`)はぁはぁ。 ツイントルネードやってみるか? (*´Д`)はぁはぁ。 |
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カロト) | ツイントルネードって、二つのハンドルを同時に高速操作するのアレですか?!まだ無理っすよ!! |
親方) | 大丈夫だ。(*´Д`)はぁはぁ。 お前はオレのもとで、(*´Д`)はぁはぁ。 3年もハコ吊るしてんだ。(*´Д`)はぁはぁ。 落ちいて回せば大丈夫だ。(*´Д`)はぁはぁ。 |
カロト) | 親方わかったよ。こうですか! |
ガラガラガラガラーッ!!(ハンドルを回す音)
親方) | その調子だ新入り。(*´Д`)はぁはぁ。 |
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カロト) | 親方、おいらツイントルネード回してんだ!(*´Д`)はぁはぁ。 もう新入りはなしですぜ!(*´Д`)はぁはぁ。 |
親方) | はっはっは!半人前が生意気言ってんじゃねー!(*´Д`)はぁはぁ。 |
カロト) | (*´Д`)はぁはぁ。 |
親方) | (*´Д`)はぁはぁ。 |
カロト) | (*´Д`)はぁはぁ。 |
親方) | (*´Д`)はぁはぁ。 |
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カロト) | その後、おいらはトリプルトルネードまで習得したが、電子制御の台頭によりエレベーターボーイの仕事はどんどん減っていった。 |
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先客) | 色んな意味で息ぴったりだ。仲がよさそうでいいですね。 |
カロト) | いや、そうでもないよ。失敗するとすぐゲンコツさ。 |
先客) | どこの親方も同じですね。ありがとうございました。なんか元気出ました。 |
カランカラーン♪
マスター) | あ、ハーデスさん。いらっしゃいませ。 |
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大魔王) | 五部林!(先客のこと。) (*´Д`)はぁはぁ。(←ミスターシスターから走ってきて息が切れてる。) |
大魔王) | 余が少し言い過ぎたようだ! (*´Д`)はぁはぁ。 |
先客) | ボス・・・・。 |
カロト) | あぁ、ハーデスさんとこの人だったのね。 |
こうして大魔王ハーデスとゴブリンは魔界へ帰っていった。
【参考】
今回の記事は前回の続編となっております。
興味のある方はご覧ください。
マダムローズ『あんた、誰のために怒ってんのよ。』