MEGA TROMBONE SUITE (2021)

ストーリー

私の名はコーンヘッド・エイプ。
こいつは私の相棒、メガトロンボーン。
”KABUKI(カブキ)”の彫金がお気に入りさ。

メガトロンボーンはどんな楽器かって?
そうだな、とにかくやたら息をもっていかれる。
「吹く」というより「息を抜き取られる」という表現のが適切かもな。
普通の人間ではまず音にならない。
私の周りでも何人か試したヤツがいたが、みんな音が出る前に貧血で倒れやがった。
世界中でこの楽器を扱えるのは私を含め数えるほどしかいない。
みんな私と同じく特殊な訓練を積んできたヤツばかりさ。

あと、やたら低い音が出る。

どれくらい低いかというと、人間の耳では聴こえないレベルだ。
私か?もちろん私には・・・

聴こえていない。

自分にすら聴こえない音、それはもう音楽と呼べるのだろうか。
エアートロンボーンじゃないか、とよく批判を受ける。
しかし、クラブで演奏していると、最前席のテーブルのグラスに波紋が立っている。
つまり何かしらの波動は出ていことは間違いない。
しかしこれは私の演奏が音楽かどうかという問題の解決にはならない。
聴こえてないんだから。
でもなぜか私のライブはいつも満席だ。
客は口々に言う。
「コーンヘッドさんありがとう!肩こりが治ったよ!」
「コーンヘッドさんのライブに来ると冷え性が良くなるわ!」
お前ら言っとくが、

ここは低周波治療院じゃねぇぞ!

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